福岡んのロンドン暮らし

福岡人=Fukuokanな私のロンドン生活。2017年7月から海外育児生活も始まりました。

子連れ一時帰国後の寂しさと罪悪感

先月、三年ぶりに日本に一時帰国した。実はロンドンに引っ越してから三年間、一度も帰れていなかった。もちろん、生後10ヶ月の娘は初来日。

子連れだから、今までの帰国とは違い、好きなお店にあちこちご飯食べに行ったり、予定詰めまくって人に会ったりはできなくて。ゆっくり、のんびり、子どものペースで動いて、ひたすら実家の家族と過ごす、そんな過ごし方。

一時帰国終盤、ふと気がつくと、私が娘につきっきりな時間はほとんど無くなっていた。いや、娘とはずっと一緒にいたんだけど、おむつ変えたり、ご飯作ったり、遊んだりを、みんなで一緒にやってるから、私が一人で頑張らなくてもよかったのだ。周りにたくさん大人がいるってこういうことなのか。なんて楽なんだ。なんでこんなにわざわざ実家から離れて子育てすることにしちゃったんだろう。と、初めて海外に移住したことを少し後悔した。外国人に嫁いで、日本にはもう住まないと腹をくくって出国したつもりだったのに。

 

昔は福岡から飛行機に乗るときは、アメリカに戻るときも、東京に戻るときも、ほぼ毎回泣いてた。自営業の実家では、常に家に誰かいる環境だったから、空っぽのアパートに戻るのは苦痛でしかなかった。泣かなくなったのは、今の旦那に出会ってからかな。反対側にも待ってくれている人がいると思うと、大丈夫だった。いやむしろ、旦那がいればいいと思っていたのかもしれない。結婚して、ロンドン移住が決まったときも海外生活&新婚生活にウキウキして、全く未練は感じてなかった。ロンドンに来てからもほとんどホームシックなんてなかった。

今回の福岡からのフライトは、昔の寂しさに似ていた気がする。なんだろう、今になって実家と、自分の家族と、両方がないと満足できなくなってしまったのか。

 

娘が大きくなる頃には、もう少し両国を行き来するのが楽になってるといいなと思うのは、身勝手かもしれない。でも、きっとこの子達は我々みたいにどこかに飛び出していくだろうから、そのときはどこでもドア並みに会いたいときにすぐ会えるような技術ができていてほしい。それは娘も私も寂しい思いをしなくていいために・・。

 

なんて思いを馳せていて、ハッとした。きっと自分の親にも実はめちゃくちゃ辛い思いをさせてるんじゃないか、と。数年に一度しか会えない娘。孫の成長もビデオ越しに遠くから見るだけ。あぁ、なんて親不孝したんだろう、と自己嫌悪してしまう。「あなたが幸せなら、それでいいのよ」と親は言うだろうし、その親心は自分も母となった今はよくわかる。しかし、だ。きっと彼らも、あぁもっと簡単に会えたらいいのにと思っていることだろう。

 

ロンドンに戻ってからも、しばらくは寂しさと罪悪感で心はぐちゃぐちゃのままだった。でも、思うのだ。仮に、3年前の引っ越しを決めた当時、こういう気持ちになることを知っていたとしても、私は結局移住していたと思う。自分で選んだ道だ。腹をくくって進むしかない。