福岡んのロンドン暮らし

福岡人=Fukuokanな私のロンドン生活。2017年7月から海外育児生活も始まりました。

日英新生児育児の違いから学んだ2つのこと

前回の記事で産後うつになりかけた話をしたわけだが、そのきっかけの一つとして「育児に対して、過剰なまでの自信のなさ」をあげた。

 

最初の一週間はわからないことだらけで、授乳の合間にすきさえあれば常に何かをググっていた気がする。

 

  • 赤ちゃんはいつからお風呂に入れるのか
  • 正常な授乳時間はどれくらいなのか
  • 授乳クッションは正しく使えているのか
  • 赤ちゃんは正しく抱けているのか
  • 授乳の違う抱き方はないのか
  • ミルクをこんなに吐き出しても大丈夫なのか

 

・・・・・・例を挙げるときりがない。とにかく何かするたびに「むむむ、これでいいのかな??」と不安になる日々だった。とはいえ、今思えば、自信満々で初めて親になる人なんてそうそういないのだろうから、これくらいの自信のなさは普通なのかもしれない。

 

しかし、この自信の無さは日本語と英語で検索をするという私の癖のせいで悪化したように思う。なぜなら、生物的な疑問に関しては、日英ともに似た結果が出るのだが、育児のノウハウ的な質問は答えが全然違ったりしてくるからだ。

例えば、正常な赤ちゃんのうんちの色なんていうのは、日本でもイギリスでもさして変わりはない。

ところが、例えば赤ちゃんのお風呂に関しては「退院後からすぐに毎日ベビーバスで沐浴をさせましょう」という日本に対して「そんなにすぐにお風呂に入れなくても大丈夫。二週間くらい待っても全然平気!週に2〜3回入れてあげましょう」というイギリス。そして「へその緒が取れるまで入れたくない」というオーストラリア人夫・・・。日本人の私は、まだ風呂に入れなくていいのかと日々一人そわそわしていたわけだ。日本の親には「そっちのベビーバスってどんなの?」と、もうお風呂に入れていることが前提であれこれ聞かれるのに対し、「実はまだ一回もお風呂入れてないんだよね」と言うときは罪悪感すらあった。

授乳に関しても、「左右15分〜20分ずつくらい」という日本に対し、「一回の授乳では片方の胸で(乳腺つまるから)。時間は5〜45分くらい」というイギリス。5〜45分なんて、幅が広すぎてなんでもありな感じ(笑)。

仮に日英で同じような答えがあっても、赤ちゃんの個体差というのも大きい。新生児は一日に最低4回はうんちをする、なんて言われても、うちの子は毎日10回くらいしていた気がする。

 

こうなってくると、もう新米ママとしては、何がなんだかわからなくなるわけで、ますます自信がなくなっていったのだった。この頃は、近所を走り回る子供を見ても、我が子をその段階まで育てる自信が全くなかった。みんなどうやって何ヶ月も、何年も過ごしているんだろう。我が子がそのステージまでたどり着けるとは思えなかった。

 

一週間ほどして、意識的にGoogleを使う回数を減らした。聞きたいことは、訪問してくれていた助産師さんに聞くようにしてみた。迷ったらイギリス方式で育てるようにしたのだ。日本語の記事は参照程度にして、違いを楽しむように心がけた。あとは子どもの様子を見ながら、あれこれ試してみるようになった。

 

そうして徐々に理解したことが2つ。

一つは、子育てにマニュアルはないし、正解は一つではないということ。国が変われば育児への意見は変わる。むしろ同じ国の中でも親によって考えは違うし、赤ちゃんそれぞれのニーズも変わってくる。おっぱいを延々と飲む子もいるし、ぱっぱと飲んでしまう子もいる。病気でないのならば、うんちいっぱいする子もいれば、そうでない子もいていいじゃない。お風呂は毎日入れなくても死なないし、大丈夫。

そしてもう一つは、自信があるように見れる先輩ママ・パパたちも、実はこっそり不安に思っていることもあるということ。小学生になる子どもを持つパパさんが「未だに僕も親業ってよくわからないよ」と言ってくれたし、ましてや自分の親に「30年たっても未だに子育てはわからないことだらけよ!」と言われると、そういうものなのかと思える。先輩ママに言われたように親も「子どもと一緒に成長すればいい」のだろう。

 

相変わらず、子どもは毎日新しい課題を私たち親に突きつけてくるけれど、深呼吸して一つずつ対処していくようにしている。子育てはまだまだ始まったばかりだ。