福岡んのロンドン暮らし

福岡人=Fukuokan の私からみたロンドン生活

産後うつの始まり

生まれてすぐの赤ちゃんを見て、母親とはみんな瞬時に自分の子供をかわいいと思い、言葉にできない愛情というものが湧き出てくる・・・というわけではない、ということを身をもって経験する羽目になった。近年Facebookなどのソーシャルメディアにはかわいい赤ちゃんの写真と、キラキラしたママたちの投稿で溢れている。でも、産後ってそんなキラキラしてばっかりではない。産後のネガティブな感情はあまり語られない気がするが、今日は正直に、産後10日くらいに起こったことを書いてみようと思う。どこかで私と同じように戸惑っているママさんたちに、こういう感情になることもあるけど、大丈夫だよ、と思ってもらえれば幸いである。

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Photo by Ben Blennerhassett on Unsplash

 

娘が生まれてすぐ、かわいい、かわいいを連発していたのは私ではなく夫だった。私はというと、思ったよりもずいぶん自分にそっくりな小さな生物が、私をじっと見ていることに驚きと、若干の不気味さすら感じていたように思う。もちろん、一般的な赤ちゃんのかわいさ、というものは感じられた。ただそれは、我が子への愛情、とは違っていたと思う。

 

退院してからも、なかなかその「我が子への愛情」というものが出てこなくて困った。

子供を産んだことは正しい選択だったのかと疑問に思った。

数日前までの、夫と二人だけだった頃の生活が懐かしく、あの頃にはもう戻れないと嘆いた。

授乳とオムツ替えを延々と繰り返して、あっという間に日が暮れる毎日。私は今日何をしたんだろう。何も生産的なことをしていない気がして、虚しくなった。

しかし一日は終わらない。授乳・オムツ替えは24時間体制。どんなに自分が眠くても、赤ちゃんはお腹が空いたら待ってくれないし、泣きたいときに泣く。彼女に「ちょっと待って」は通じない。

 

そんなこんなで、日々私から笑顔がなくなっていった。毎日どこかで理由もなく泣いていた。

眠いのに、赤ちゃんが寝ている間に昼寝をしようとしても、頭の中をぐるぐるといろんな思考がさまよって、結局泣き出して眠れなかった。睡眠不足は悪化した。

授乳をしているから、普段よりカロリーを摂らないといけないはずなのに、食欲も減った。三食ようやく食べていた。

正直、誰かに赤ちゃんを数日、いや何ヶ月か預けておきたいとすら思った。

 

それでも、産後一週間くらいは「ベイビー・ブルー」といって、ちょっとホルモンバランスが崩れて、暗くなりがち、というし、こんなもんなのかな、と思っていた。しかし、これはやばいな、と思った決め手は、産後10日目頃、暗い暗い思考が脳をよぎってしまったこと。この子さえいなければ、こんな辛い思いに終りが来るんじゃないかと思ってしまったこと。例えば、首がすわらないのに、頭をブンブン振って泣き叫ぶ子供を支えながら、「私がこの首を支えなかったら、ひょっとして・・・」と思ってしまうようなこと。決して実際に赤ちゃんを傷つけるつもりはなかったけれど、一瞬でもそんなことを思ってしまった自分がショックだった。

 

翌日、正直に訪問してくれた助産師へ相談した(イギリスでは産後数週間は助産師が定期的に自宅訪問をしてくれる)。そして、このままでは、赤ちゃんの面倒だけでなく、私の面倒も見ないといけないとなると、夫への負担が重すぎる。辛そうにしている夫の姿は見たくない。そういう思いで、プロフェッショナルの助けを得ることにした。詳しくはまた別の機会に書こうと思うが、この早い段階で色々なサポートが得られてよかったと思う。ここからまたひどくなると、「神の声」のようなものが聞こえるようになって、その声が赤ちゃんを傷つけたり、自分を傷つけたりするように命令してくるのだそう。おお、こわっ ((((;゚Д゚))))

 

今では無事に我が子としっかり心が通うようになり、一時も離れたくないと思うようになったなんて、当時の私は信じられないかもしれない。逆に、当時子どもを誰かに預けたいなんて思っていた自分が今は信じられない。

 

いろいろな専門家とお話をする機会を経て、ホルモンバランスの乱れと睡眠不足以外にも、このような状況に陥った原因がいくつかあるように思う。

① 出産時のトラウマ

② 現実逃避、拒否反応

③ 育児に対して、過剰なまでの自信のなさ

これらについても、また別の機会に詳しく書いていこうと思う。

 

もしどこかで似たように産後すぐに子どもに愛情を感じられずに悩んでいる人がいたら・・まずはどうにかして少しでも睡眠を確保してほしい。そしてそれから自分の気持と少しずつ向き合えばいい。でも、ちょっとでも自分や子どもを傷つけたいという考えがよぎってしまったら、周りの人にすぐ相談してほしい。