福岡んのロンドン暮らし

福岡人=Fukuokan の私からみたロンドン生活

オープンなイギリス王室から考える日本の皇室

眞子さまご婚約などで近日海外からも注目されている日本には天皇制。イギリスにも似たような王室制度がありますが、国民との関わり方は随分違う気がします。そこで今日はイギリスに来てから、王室と国民の関わり方で感じたことを少し紹介します。

 

イギリス王室のソーシャルメディア

まずはFacebookやInstagramなど、ソーシャルメディアでの発信力。Facebookページは370万いいね、Twitterも295万フォロワー。コメントを見ても、イギリス人の王室好きっぷりが伝わってきます。

さすがに女王陛下ご自身が書き込みをされることはほぼ無いようですが、2014年に一度科学博物館のイベントで書き込みをなさったそう。 

blog.twitter.com

また、昨年はハリー王子と一緒にビデオにご出演されて話題になりました。

 セリフこそ少ないものの、インパクトがでかすぎます。祖母である女王陛下のことを「ボス」と呼ぶハリー王子ですが、お二人のやり取りはやっぱり微笑ましいですね。

 

公式ウェブサイトも、モダンで、キラキラしてます。

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もちろんスマホ対応。女王陛下だけでなく、チャールズ皇太子ご夫妻のご活動、キャサリン妃自身が撮った子どもの写真なども投稿されています。宮内庁のウェブサイトと比較するとその差は歴然ですね。

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宮内庁の方はちょっと一昔前のデザインのままでちょっと残念です。

 

イギリス王室は、ソーシャルメディアなどを通して、上手に広報をしているなぁと感心します。一般の人にも王室を身近に感じてもらうには、ニュースや公式なスピーチばかりでなく、このような形でお姿を見せてくださるのが、現代社会には向いていますね。

 

イギリス王室の社会活動

イギリス王室は社会貢献にも大変積極的です。先の女王陛下とハリー王子のビデオも、王子が関わっているInvictus Gamesという、 退役軍人たち(特に兵役中で障害を負った人たち)向けスポーツイベントの広報用のものでした。

また、ウィリアム王子・キャサリン妃ご夫妻と、ハリー王子が協力して啓蒙活動に励んでいるのが、メンタルヘルスの問題。メンタルヘルスとは精神疾患だけでなく、ストレスやトラウマなどが引き起こす心の健康全般を指します。見るからにわかる病気や怪我をしている様子に比べて、まだまだ心の健康ってないがしろにされがちです。カウンセリングに行っているのは悪いことのような印象もありますし、心が弱いことは甘えであるかのように受け取られることもあります。そういうメンタルヘルスに関するネガティブな環境を少しでも変えたい、という思いで始まったご活動です。

先日はハリー王子ご自身が、母であるダイアナ妃を亡くしてから、いかに精神的サポートが必要だったかを訴えました。また、ウィリアム王子もレディ・ガガとメンタルヘルスについてご対談なさいました。幼いころに母親をあんな事故で亡くしてしまえば、もちろんトラウマにもなっていることでしょう。このようにお二人がオープンにご自身の心の健康についてお話をしてくださることで、「It's OK to Say - 心の問題があるってもっとみんな打ち明けていいんだよ」ということ、また対話を通して心の傷を癒やしていこう、というメッセージを国民に届けられました。

www.youtube.com

 

あまり自分の感情についてはオープンにしないのは日本の皇室でも、イギリスの王室でも同じ。なので、二人の王子がここまでオープンに過去の心の傷についてお話されたことについては賛否両論ありますが、これもまた、より国民のそばに寄り添う、新しい時代の王室と国民の関わり方なのかもしれません。

 

精神的な病といえば、日本の皇室でも雅子さまが長い間適応障害で苦しんでおられます。ご自身がまだご病気の間に、ご本人にこの問題について啓蒙活動を!なんていうつもりは、もちろんありません。しかし、宮内庁・日本皇室は、長年に渡り、ひょっとしたらメンタルヘルスへのこうした偏見を改善する機会を逃してしまったのかなぁ、という気もします。むしろ、適応障害やその他精神的問題への寛容度も、ご病気が長期化するとともに悪化さえしている気もして、残念です。

 

 

このように、イギリス王室、とくに若い世代の王家の皆さんは、現代に合った国民との関わり方を日々模索しているようすが伺えます。日本の皇室も、いろいろと政治的な議論がなされている今だからこそ、もっとオープンに、新しい国民との関わり方を模索してもよいのではないでしょうか。