福岡んのロンドン暮らし

福岡人=Fukuokan の私からみたロンドン生活

イギリスと日本のチャリティ番組比較(Red Nose Dayと24時間テレビ)

先日3月24日(金)はRed Nose Dayでした。これは、2年に一度行われるイギリスのチャリティイベントで、私は今回初めてイギリスでこれを体験することができました。3月に入るとこの日に向けてRed Nose (= 赤い鼻)をモチーフにしたバッグやTシャツなどのグッズがあちこちで販売され始め、様々なテレビ番組でも宣伝がされるようになり、ワクワク感が高まっていきます。

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24日当日は、Red Nose (赤い鼻)のカチューシャや、赤い鼻をつけた人も町中にチラホラ・・・。地下鉄の駅などでも募金を集める人が立っていました。

 

このイベントのクライマックスは夜BBCで放送される番組なのですが、日本の24時間テレビと比較するとわかりやすいかと思うので、少しまとめてみました。

 

番組構成の違い

24時間テレビはその名の通り24時間生放送なのに対し、Red Nose Day の番組は夜7時から深夜にかけて生放送。といっても、メインの番組は10時位までで、その後は一時間ずつくらいトークショーだったり、お笑い芸人のショーだったりが続く、というかんじでした。募金総額も10時位に発表されますが、その後の番組内でも引き続き募金を呼びかけていました。

 

「楽しく、普段チャリティに馴染みのない人たちにも参加してもらう」ことがモットーなため、Red Nose Dayの番組はほぼコメディ!今年の目玉は映画 Love Actually の「その後」についてのミニドラマでした。いやぁ、ヒュー・グラント、年取ったな・・・。それでも当時並におしりふりふり踊ってくれたのはさすが(苦笑)

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個人的には、出演者とTwitterユーザーが真剣にどのビスケットが一番美味しいかを決める「ビスケット・ワールドカップ」のコーナーが、イギリスらしくて好きでした。さすが紅茶文化のイギリスですね(笑)

 

もちろん、チャリティ番組なので、コメディの合間には、寄付金が使われる分野の現状紹介がありました。全体的には24時間テレビほど「お涙頂戴」な要素は少ないですが、ところどころ、いいクリップで攻めてきます。今年は特に歌手のエド・シーランが良かったですね。リベリアの子どもたちの様子を見に行った彼ですが、帰り際には「この子達が安全なところで寝るのを見届けないと、帰れない」と、自費でスラムの子どもたちを安全な場所へ移動させたのです。賛否両論あるかもしれないけど、目の前の子供たちを置いてそのまま帰れなかった彼の熱いハートは素晴らしいのではないでしょうか。

 

寄付金

今年の Red Nose Day では7300万英ポンド(約102億円)という大金が集まりました。ちなみに昨年の24時間テレビの募金額は約887万円*1。二年に一度とは言え、金額が大分違いますね。

 

Red Nose Day当日の番組放送中は、電話、SNSメッセージなどで家から募金が行えます。特定の番号に特定のメッセージを送ると(例えば40001という番号に"GIVE MONEY" と送るだけで)、自動的に10ポンド募金がされ、料金は携帯料金支払い時に払う、という仕組みは、イギリスやアメリカの大きなチャリティーではよく取り入れられた方法です。

 

とはいえ、さすがに数時間の番組内でこれだけお金が集まるわけはありません。この日に向けて企業や学校で募金活動をするよう呼びかけが行われているので、そういう団体からの寄付金が大きいのだと推測しています。ウェブサイト内にも会社での寄付金集めの仕方など、一般の人が参加しやすいようマニュアルも用意されています。番組内では大企業からの巨額な寄付金も報告されていました。ブリティッシュ・エアウェイズ(航空会社)が700万ポンド以上、大手スーパーのセインズベリーは1100万ポンドも募金を集めたそうです。皆さんの行動力がすごいですね。

 

寄付金のその後

さて、集まったこの巨大なお金はこのあとどうなるのか、というのが大事なポイント。Red Nose Day の主催者はComic Reliefという非営利団体です。これから二年間をかけて、この団体がイギリスや世界各地のNGOに助成金という形でお金を分配していきます。(例えば、Health Poverty Actionというすでにエチオピアで女性教育の活動をしている団体に助成金を与える、など。)

 

もともとアフリカの飢餓・難民問題に対して「何かしなければ!」と感じたセレブやテレビ業界の人々が、80年台に始めたこのComic Reliefという団体。なので、今でもアフリカへの支援の比率は高く、マラリア対策、教育対策などを近年では行っている様子。しかし、近年ではイギリス国内の問題にも目を向けていて、シニア世代の支援、家庭内暴力、国内の貧富の差の問題などにも助成金を出しています。あくまでComic Reliefは、その強みである「募金を集めること」に特化し、実際の活動はそれぞれのスペシャリストたちに任せる、というイギリスのチャリティ文化らしい仕組みだと思います。国内・国外のそれぞれの非営利団体が育つ、良い仕組みですね。

 

一方24時間テレビの方は、24時間テレビチャリティー委員会というものが設立されていて、そちらでお金を運用しているようですね。支援分野は福祉、環境、災害支援。車椅子を購入したり、植林活動をしたりと、少し何かを購入するという活動が多い気もします。

 

両番組とも、それぞれ賛否両論あるかと思いますが、それぞれ普段チャリティにあまり関わっていない人を巻き込むという点では、良いのではないでしょうか。こういう番組をきっかけに、私たち一人ひとりができることを普段から行わねば、ですね。