福岡んのロンドン暮らし

福岡人=Fukuokanな私のロンドン生活。2017年7月から海外育児生活も始まりました。

イギリスでパラリンピックのテレビ放送を見て。

今日はパラリンピック最終日。みなさん、見ましたか、パラリンピック?正直なところ、私は今まで一度もパラリンピックをちゃんと見たことがなかったのだけど、あるテレビ番組をきっかけに今年は後半毎日見てしまいました。

 

その番組とは、The Last Leg 。これは通常金曜夜10時に生放送されるバラエティ番組で、オーストラリア人コメディアンのアダム・ヒルが、イギリス人タレントのジョシュ・ウディコム、アレックス・ブルーカーと時事問題について面白おかしくトークを展開する番組。知らなかったのだが、もともとロンドンのパラリンピックのときに始まった番組なのだそう。そこで今回も、パラリンピック中、この番組はブラジルから連日夜8時生放送されることになったのでした。ちなみに、司会のアダム・ヒル自身、生まれつき右足がなく、義足をつけて生活をしているし、アレックス・ブルーカーも手足に障害があり、彼も義足を付けている。

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彼らが番組を丸ごとリオにもっていき、いわゆる健常者のジョシュや他のイギリス人タレントたちを引き連れて、一般人目線からもパラリンピックの様子を伝えたことは、大変意義があると思う。日本では、オリンピック番組をSMAPの中居くんがやったり、バレーボールの番組を嵐がやったりと、一般目線のタレントをスポーツ番組に使うのはわりと一般的だけど、実はこれはイギリスでは珍しい。(オリンピックの方の放送は、専らBBCがスポーツ専用のキャスターを使って放送していたし。)

 

また、24時間テレビなど、どうしても障害者がテレビに出ると、お涙頂戴的な方向に番組を持っていきがちだが、障害者のテレビでの扱い方はどこの国でも頭を抱えるところのよう。ましてや、お笑い番組は難易度がかなり高い。この点、アダムとアレックスは自身も障害を持っていることから、バランス良く障害も笑いに変えていったし、ジョシュや他の健常者ゲストもそれに絡んで笑いを作っていくという雰囲気ができていて、非常にレベルの高いお笑いだったなと思う。また、パラリンピック選手も毎日ゲストで登場したのだが、彼らの障害にスポットライトを当てるのではなく、彼らのキャラや、試合での功績を中心に繰り広げられたトークも、この番組のうまいところだったと思う。

 

もちろん、パラリンピックが終わりに近づくにつれ、感動的な要素も多々盛り込まれていた。昨日はニュージーランドのリアム・マローン選手(男子 400m - T43/44(切断・機能)金メダリスト)が、同じく片足のない8歳の男の子に将来パラリンピックに出たらこうしろ、みたいなアドバイスをしていた。男の子は自分のヒーローに会えて、目がキラキラしていて、テレビの前でそれを見て、私はうるうるしてしまいましたよ。この子、絶対この日を忘れないだろうな。(YouTube 日本からは見れないかも ↓)

 

きっと私だけじゃなく、たくさんの人がゴールデンタイムでこの番組のおかげで、障害への考え方、見方が変わったのではないかと思う。この番組を放送している Channel 4 は、以前にも LGBT の子供を育てる親のドキュメンタリーや、イギリスにいるイスラム教徒のドキュメンタリーもしていて、マイノリティへの視線が熱い。今後もこういうのどんどんやってほしいし、日本でもこういう良質なバラエティが増えると良いなと思うのでした。

最後に、Channel 4 の熱いパラリンピックのコマーシャルを。