福岡んのロンドン暮らし

福岡人=Fukuokan の私からみたロンドン生活

憎悪を煽る政治はやめよう

EU国民投票はついに明日に迫った。

 
日本でも報道されていたようだが、先週のコックス国会議員が極右思想者に殺害された事件で、一気にこの国民投票への空気が変わったように感じる。
ここ最近の有権者の関心が経済から移民問題に移っていた矢先にこの事件だ。移民問題に真摯に取り組んでいたコックス議員が、まさに反移民主義の男性に「イギリスを優先しろ」と叫ばれながら殺害されたという報道に英国中が衝撃を受けた。
 
「移民が増えると、ドイツのケルンみたいに女性がレイプされる」
「トルコ経由で中東のテロリストたちがイギリスにどんどん来る。イギリスが危ない」
 
対岸のアメリカでイスラム教徒を追放しようだの、メキシコ国境に壁を作ろう、などと訴えている誰かと似た、人種差別や憎悪を煽るような言葉が、ここイギリスでも連日繰り広げられていた。離脱を声高に政策として掲げる英国独立党 (UKIP) は、大きな宣伝用トラックに中東系移民の大行列の写真を載せて「EUに残るとこいつらが来るぞ」と言わんばかりの宣伝を始めたりもしていた。
 
英国民と移民
離脱派と残留派
 
移民はテロリストで、国民から職も家も奪っていく、、
離脱派は非人道的で、差別的だ、、
 
そんな社会を二分化するような流れがどんどんヒートアップしていたところで、コックス議員の事件がおきた。彼女が殺害された木曜から土曜まで、すべての投票運動が停止されたことで、必然的に誰もが自分の信じる派閥や、自身の主張を冷静に考え直す機会を得たのではないだろうか。
 
自分や、自分の応援している派閥は、建設的な議論を展開していただろうか。
自分も移民や、自分と違う人種、階級の人に対して、差別的な発言をしていなかっただろうか。
 
移民は税金も納めてくれるし、経済的利益も生む
離脱派はみんながみんな移民問題で投票しているわけではないし、欧州連合の政治的理念に納得できない人もいる
 
また、議論の最中に、相手派閥の議員の、プライベートに関してあれこれ口出ししていないだろうか。個人に対する口撃はよくない。
 
汚い投票運動ではいけないと、尊い命が奪われないと気づけないのはなんとも情けないではないか。
 
私も特定の離脱派議員に嫌悪感を抱いていたところだが、彼の意見に集中すべきで、個人的に彼を嫌ってはいけない、と改めて考えさせられた。建設的に意見を交わすということの大切さを痛感する。
 
投票運動が再開された日曜日のテレビ番組では、離脱派と残留派がお互いに「そういうふうな言い方はいけない」と、憎悪を煽るような発言を牽制しあう場面があった。国民投票が終わっても、議員、国民が健全な議論を続けられるよう期待したい。