福岡んのロンドン暮らし

福岡人=Fukuokanな私のロンドン生活。2017年7月から海外育児生活も始まりました。

ロンドンでの出産準備 つわり編

明けましておめでとうございます。今年もブログよろしくお願いします。

 

なんだかクリスマスもお正月も、つわりで毎日うんうん言っている間に終わってしまいました。ロンドンでのクリスマス、今年は我が家で友人も招いてのクリスマスディナーだったのですが、クリスマスイブにケーキを焼き、クリスマス当日にチキンの丸焼きやらお野菜やらいろいろ作ったのですが、自分はほとんど食べられず。

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年越しもカウントダウンに行く予定が、気分が悪すぎて旦那だけ行かせることに。私は猫と家に残って年越し・・。テレビでテムズ川に打ち上げられる花火を見る、と。とほほ。

 

全く吐かないつわりなのが不幸中の幸いなのでしょうか。空腹時に特に気持ちが悪くなる食べつわりのようですが、もっと気持ち悪くならずに食べれるものが随分限られてしまっています。最近は鶏肉が全く食べれなくなりました。(なのにチキンの丸焼き作ったんですよ、はい。)パスタ、サラダもけっこう無理。インドカレーなどの匂いがキツイのも無理。こうやって書いてるだけで気持ち悪くなるので、このへんでやめておきます。

 

逆に何が食べれるのかというと、当初はフルーツ(バナナ、リンゴ、みかん)、ヨーグルト、ビスケットとか、そんなもんでした。お腹は空いてるけど食べれないって、辛いですね。最近はようやくお魚とか、シリアル、シンプルなサンドイッチくらいは食べれるようになってきました。

 

一番意外だったのは、日本食がどうしてもどうしても食べたくなったこと。海外生活通算8年目くらいになりますが、今まで実は白米全然食べなくても、和食全然食べなくても全く平気だったのです。が、最近はどうしても白ご飯とか、お茶漬けとかが食べたくなってしまって、とうとうロンドンの日本食スーパー、Japan Centre 行ってきました。梅干し食べたかったけど、びっくりするお値段だったので断念。代わりにしそ味のふりかけで、とりあえず満足。納豆まで買ってしまいました。最近の貴重なタンパク質源です。

 

先週はなぜか無性に日本のウィンナーが食べたくなって困りました。「シャウエッセン食べたい!!」シャウエッセンなんて日本でも滅多に買ってなかったのに、いったいなんなんでしょう。イギリスのソーセージはもっと肉々しく、ふわっとしていて、シャウエッセンのようなプリッとしたかんじがないんですよね。困ったものです。

 

体重は3kgくらい減ってしまいました。まだまだ通常範囲なんでしょうか?来週の検診まで様子見、というかんじです。

 

今日の英語

morning sickness : つわり

朝だけ来るわけじゃないから、ちょっと誤解を招く名前ですね。

ロンドンでの出産準備 初期出血編

産婦人科の予約が取れないまま、数日がすぎたある日のこと。

つわりでお腹も張って、あまりものが食べられなくなってきていて、調子悪いなぁと思っていた矢先。職場でトイレに行くと、まさかの生理の始まりのような出血・・・。

 

さーっと血の気が引いて、慌ててググる。ほとんどの記事が「まぁ、まず落ち着け」と書いてあるけども、心臓はバクバクしている。

 

とりあえず、気分が悪いから、と早退させてもらって、オフィスを出て、電話ができそうな静かな道を探す。

 

NHS(イギリスの国民保険サービス)では、救急車を呼ぶほどではない事態のときは、111 に電話すれば、医療アドバイスをもらえるサービスがある。これも無料。(ちなみに救急車を呼ぶときは 999。)電話に出たおばさんは、ちょっとぶっきらぼうで、周りもうるさいし、私もまだ半パニック状態だしで、英語で医療の会話をするには正直難しい環境。思わず「妊娠中なのに出血してるんです!!!どうしたらいんですか!!(´;ω;`)ブワッ」と電話で泣き出してしまったが、おばさんが急に電話越しに優しくなったので、会話は進み、「通ってるGP(一般医)か、St Thomas 病院の緊急課に2時間以内に行け」、とのこと。

 

職場から近かったし、どうせ予約取れたらそこに行くんだし、ということで旦那にも連絡してSt Thomas 病院へ向かう。

 

病院で待つこと30分弱・・尿検査、身長・体重・血圧測定ののち、看護婦さんと面談。少量の出血だが、念のため子宮外妊娠ではないかを確認するためエコー検査をすることに。2時間くらい待ちましたが(苦笑)

 

エコー検査の結果、特に異常はなし。3ミリほどの新しい命がピクピク動いているのが実際に見れて、ようやく夫婦ともども「あぁ、本当に妊娠してるんだ」という感覚が生まれたのでした。今回の検査で、正式に妊娠六週間目、という判定になりました。

 

帰り際に、未だに予約の取れていない予約課にも立ち寄ってみることに。しかしここでも「あら、まだ遅れを取り戻せてないのね!!もう!来週には手紙を送るから、もう少し待ってね!!」と、予約は取れず!どひゃー。

 

今日の英語

Ectopic Pregnancy:子宮外妊娠

 

ロンドンでの出産準備 産婦人科探し編

さて前回 GP (一般医)で自力で産婦人科探せよ、と言われたので、ネットでとりあえず検索。

 

NHS(国民保険サービス)のウェブサイトのレビューはスコアはどの病院もボチボチだけど、産婦人科の口コミを読んでいくと、まぁなかには病棟が古いだの、人手が足りてないだの、さすが NHS!的な不満がたらたら。NHS、基本は無料ですからね。政府の予算削減で最近どの病院も大変そうです。

 

そんな中、ほとんどの不満が「最初の予約が取れない」以外はわりと評判の良さそうな St. Thomas 病院というところを見つけたので、とりあえずそこに予約を入れてみることにした。ホームページからフォームをダウンロードして、記入して、メールに添付して終わり、っと。

 

ビッグベンのある国会議事堂のテムズ川対岸にあるこの病院、病室からの景色は抜群なようだが、正直出産中に景色を喜んでいる余裕はないのではないか・・・。まぁでも、出産用のプールとかもあるみたいだし(写真のような余裕はないだろ・・)、サービスはちゃんとしてそうなので、とりあえず待つ。

http://www.guysandstthomas.nhs.uk/images/m/maternity/20150422-poolroom.jpg

 

 

そして一週間後・・・

 

まだ、返事がこない(爆)

 

産婦人科に電話してみるも「ただいま、電話にでることができません。留守番電話に接続します。・・・留守番電話がいっぱいで、録音できません。しばらくしてからおかけなおしください。」Σ(・∀・;)

 

改めてレビューを読み直すと、病院からの返信で「予約課の人員不足により、予約調整が遅れています。どうしても連絡が取れない場合は◯◯◯まで電話してください」と丁寧に書いてあるので、そっちにも電話するも、連日繋がらず。

 

翌日、産婦人科にかけなおすと、留守電の空き容量は作ってくれたようで、一応留守電にメッセージを残してみる。

 

「ほんなって予約取れるっちゃろか??」と不安がよぎる・・・

 

次回へ続く

ロンドンでの出産準備 初検診編

突然私的な日記になってしまって恐縮だが、妊娠していることが発覚した。初めての出産というだけでもドキドキなのに、海外での出産ともなると、いろいろと面白い発見もありそうなので、書き留めておこうと思う。

 

さて、薬局で購入した妊娠検査薬でピンクの2本線をしっかり確認したところで、最寄りの GP に連絡。イギリスでは、とにかく何か体の不調があると、まずは GP と言われる一般開業医に会いにいきます。で、そこから必要であれば専門医を紹介してもらうという流れ。NHS という国民保険サービスに入っていると、診療は無料です。

 

予約をとって数日後、GP診断。念のため女性のお医者さんをお願いしておいた。

女医さん「どうしましたか?」

わたし「妊娠してると思うんです」

女医さん「あら!最後の生理日はいつ?」

わたし「◯月☓日です」

女医さん「妊娠検査薬はやってみた?」

わたし「はい、念のため二回・・」

女医さん「オッケイ!だいたい今妊娠6週間くらいみたいね。妊娠中に控えたほうがいい食べ物は・・・あとは葉酸サプリ飲んでね。で、産科医はうちからは紹介しないから、自分で探してね。まぁこの辺だとA病院、B病院、C病院かしら!」

 

以上!(`・ω・´)キリッ

 

・・へ?!

いや、その、無料ですからね、はい。でもなんの検査もしないで妊婦認定なのか?!というのは衝撃でしたが、さすが NHS というか、なんというか。

 

妊娠検査薬だけだと、まだなんだか半信半疑なんだけどな(´・ω・`)

と不安を抱えつつ、葉酸サプリ買って、家に帰って産婦人科を調べることになるのでした。

 

おまけ:今日の英単語

Folic Acid - 葉酸

 

つづく

ドナルド・トランプの当選を振り返って

2008年、オバマが初当選したときに、私はアメリカにいたのだが、当時の選挙は希望に満ち溢れていた。大学のテレビを囲んで、オバマの就任演説を見ながら涙するアメリカ人を見て、この国はとんでもないパワーを持っていると感じたものだった。それに比べると、今年の選挙のなんとダークなことだろう!今年の選挙では、絶望と恐怖の涙を流した人がどれだけいることか。

 

ドナルド・トランプ氏がアメリカ大統領選を制覇してから、二週間が経とうとしている。選挙後最初の一週間は、ショックでなにも書きたくないという日が続いた。私のFacebookが、アメリカ人友人たちの悲痛な叫びで埋め尽くされていたことの影響も大きい。

 

ゲイ・レズビアンを公表している友人たちは、ほぼパニック状態で、「先日結婚したばかりなのに、この権利は取り上げられてしまうのではないか」「これからもっと差別をされるのではないか・・・ゲイの印でもつけろと言われるのだろうか」など、心の底から恐怖を感じている様子が痛々しいほど伝わってきた。

 

黒人、インド人、アラブ系、ヒスパニック系の友人たちの中には、すでにトランプ支持者から「国に帰れ、お前みたいなやつはトランプさんが追放してくれるわ」と罵声を浴びせられた人もいたし、「今日は一人で外を走りに行くのはやめておいたほうがいいかしら」「旦那は白人だから、なんだかこの恐怖感を100%わかってもらえない」という不安な声で溢れていた。白人の友人たちのショックも痛々しく、特に小さい子供をもった人たちは「これをどうやって子供に説明すればいいのか」と嘆いていた。

 

先日読んだニュース記事の中で、民主党はマイノリティの権利など、文化的な問題に焦点を当てていたが、国民が求めていたのは経済政策、現状からの脱却であって、その声をかき集めたのがトランプだった、といった趣旨の主張があった。多くのいわゆる「ミドル・クラス」と呼ばれる中産階級の人たちは、本当に不満が溜まっていて、それどころじゃないのだ。自分たちの暮らしが苦しいと、文化的な人権問題よりも、自分のお財布事情の方が切実な問題になってしまうのは、仕方ないだろう。

 

Make America Great Again (アメリカをまた素晴らしい国にしよう!)という曖昧なスローガンは、どのようにも解釈できるから、こういう不満を吸収して、中身が無いままどんどん大きくなってしまった。どのように「Great」な国にするのか、という議論がほとんどなされないまま選挙の結果が出てしまったところは、本当にEU離脱の中身がわからないまま離脱が決まってしまったイギリスの国民投票と重なる。どちらも、これまでの政治組織からの脱却、政治のマンネリ化にうんざりした人々の声だ。(そう考えると、レ・ミゼラブルの民衆の歌が脳内リピートされる・・・)

 

しかし、やはり問いたい。不満なのはわかるが、こんなにモラルのないリーダーで良いのか、と。「品がなくても、経済を良くして、アメリカをGreatにしてくれるなら文句ないわ!」という投票者があまりに多すぎて、その感覚がよくわからずにいる。

 

一国のリーダーとなる人が、

障害者を笑い者にしていいのか?

意見の違う人に耳を傾けず、ひたすら追い出し続けていいのか?

特定の人種を「強姦犯」呼ばわりしたり、「テロリスト」扱いしたりしていいのか?

有名人だからといって、女性を軽視していいのか?

何年も脱税しまくってていいのか?

 

もちろん、もしかしたら(願わくば)、色々口汚いことを言っていたけど、トランプも本領発揮すればすばらしい大統領になるかもしれないじゃないか!しかし、ここ数日のチーム編成や、安倍首相との会談のニュースをみると不安要素だらけだ。だからこそ、泣いてばかりもいられないのだ。バーニー・サンダースを始め、色んな人が声を上げ始めている。選挙は終わりじゃない、新たな戦いの始まりなのだ。そして、私達アメリカ国外の人も、外からプレッシャーをかけていかないといけないのだ。

スコットランド旅行 オススメの大自然スポット

イギリスまではるばるいらっしゃるみなさん、ぜひ美しいスコットランドも旅行先に検討してみてください。都会の喧騒を離れ、雄大な自然の中でゆっくりと時間の流れるスコットランドは、長期休暇にはかなりおすすめです。

 

携帯の電波が入らないところもまだまだ多く(衝撃!?)、お仕事のスイッチを完全にオフするのにも最適です。また、北海道よりもずっと北に位置するので、夏場でも涼しく、避暑地としても良かったです。

 

私たち夫婦は、9日間、こんなかんじでドライブしてきました。

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 今回はこの中でも特に感動した場所をご紹介します。ざっくりいうと、「西側のコース」がオススメです!

オススメ① スカイ島(Isle of Skye)

今回の旅程でダントツのオススメは、間違いなくスカイ島です。島中が息を呑む美しさ。Quiraing や Storr などの有名所を避けると、ほとんど他の人には会わないので、自然を独り占めできます。例えば、スカイ島の北の果て、Rubha Hunish。

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19世紀初めごろ、牧羊で土地を追われるまで、この辺りには貧しい農民たちが住んでいました。今は農家の跡地がひっそりと海を眺めています。

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こちらは西の果てのNeist Point Lighthouse。ここまでたどり着くのに、狭い狭い一方通行の道が続くのでご注意を。

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ちょっと自然の中を歩きたい人、がっつりハイキングしたい人、誰にでもピッタリのコースがきっと見つかるスカイ島。現地では携帯の電波がつながらない所も多いので、事前にしっかりコースを調べて行きましょう。また、最近ずいぶん人気が出てきたので、夏場は宿が取りにくくなっています。夏に行く人は早めに予約を!現地の方によると、冬場も雪がそんなに積もるわけではないので、夏以外も人が少なくてオススメとのことでした。

 

オススメ② グレンコー (Glen Coe)

スコットランドで最も美しいとも言われている谷間。右も左も雄大な山々が次々と現れてきます。残念ながら地形がら、あまりいいお天気では知られていない場所ですが、しっとりと静かに濡れた山々は、またそれはそれで厳かな美しさを放っています。あまりに感動して、私はほとんど写真を撮るのも忘れて見とれてしまいました。唯一まともに撮ったのは観光案内所での一枚くらいです・・。

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こういう山々が15分くらい、これでもか!と迫ってくる様子をご想像くださいませ。バスツアーも最近はたくさん出ているようで、良い写真スポットにはしっかり大型バスが陣取ってました。

 

オススメ③ 西海岸沿いのドライブ

ざっくりとしたタイトルですが、特にスカイ島の付け根あたり(Kyle of Localsh)からUllapool あたりまで、フィヨルドに沿って運転をすると山あり、海ありの抜群の景色を満喫できます。

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ちょっと風の谷のナウシカみたいじゃないですか?w

 

こういう写真スポットは数百メートル手前から標識が出ているので、停車する用意をしながら進みましょう。大きめの停車場にはピクニックテーブルもあったりします。道中そんなに大きな街はないので、お弁当をもってドライブするとバッチリです。

 

ただし、Applecross あたりは「初心者禁止」の看板があるほど、かなりの急斜面、なおかつ一車線という鬼のような道が続きます。久しぶりに運転する人はやめておいたほうが無難です・・・。

 

オススメ④ ローモンド湖、ベン・ローモンド山(Loch Lomond、Ben Lomond)

グラスゴーから一番近い国立公園内にあるローモンド湖。一時間位で自然の中にどっぷり浸れます。湖の西側のほうがホテルも多めですが、ローカル感満載の東側は、ベン・ローモンド山に登るにも便利で良かったです。

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ベン・ローモンド山はわりと初心者向けだと聞いていたのですが、完全になめてましたね・・・。天気もそれほど良くなかったので、頂上は全く見えず、上の写真の地点以降は雨もしとしと降ってきて、寒いし視界は悪いしで、けっこう怖い思いをしました。自然の力を見せつけられた感じです。

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ローモンド湖の民謡は、どこかで聞いたことがある曲かもしれません。ピーター・ホレンのバージョンをどうぞ。この曲を聞くと、私の心はこの湖地方にすっ飛んでいきます。


Loch Lomond - Peter Hollens

 

今回訪れた場所の中ではこの4つが特に印象に残った大自然スポットでした。

 

もう少し時間があれば、ケアンゴーム国立公園 (Cairngorm National Park) も、もう少し散策してみたかったです。北の方では、スムー洞窟(Smoo Cave)も残念ながら雨で氾濫の恐れがあったので中に入れず、これも残念でした。入り口だけでもこの岩のカラーですよ。中も見たかった!

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一方で、思ったより残念だったのが東側のドライブ全般。フィヨルドの入り組んだ複雑な地形で、絶えず楽しませてくれた西側と比べ、海岸線が単調すぎた感じでした。

また、ネッシーで有名なネス湖も、ローモンド湖に比べ単調な地形で、期待はずれな感じでした。

 

最近はスコットランドのハイランド地方も人気が出てきて、夏場は人も多くなってきた・・とは言え、まだまだひっそりとした場所もたくさんあり、本当に良い休暇が取れました。現実逃避しにまた行きたいですね。

イギリスでパラリンピックのテレビ放送を見て。

今日はパラリンピック最終日。みなさん、見ましたか、パラリンピック?正直なところ、私は今まで一度もパラリンピックをちゃんと見たことがなかったのだけど、あるテレビ番組をきっかけに今年は後半毎日見てしまいました。

 

その番組とは、The Last Leg 。これは通常金曜夜10時に生放送されるバラエティ番組で、オーストラリア人コメディアンのアダム・ヒルが、イギリス人タレントのジョシュ・ウディコム、アレックス・ブルーカーと時事問題について面白おかしくトークを展開する番組。知らなかったのだが、もともとロンドンのパラリンピックのときに始まった番組なのだそう。そこで今回も、パラリンピック中、この番組はブラジルから連日夜8時生放送されることになったのでした。ちなみに、司会のアダム・ヒル自身、生まれつき右足がなく、義足をつけて生活をしているし、アレックス・ブルーカーも手足に障害があり、彼も義足を付けている。

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彼らが番組を丸ごとリオにもっていき、いわゆる健常者のジョシュや他のイギリス人タレントたちを引き連れて、一般人目線からもパラリンピックの様子を伝えたことは、大変意義があると思う。日本では、オリンピック番組をSMAPの中居くんがやったり、バレーボールの番組を嵐がやったりと、一般目線のタレントをスポーツ番組に使うのはわりと一般的だけど、実はこれはイギリスでは珍しい。(オリンピックの方の放送は、専らBBCがスポーツ専用のキャスターを使って放送していたし。)

 

また、24時間テレビなど、どうしても障害者がテレビに出ると、お涙頂戴的な方向に番組を持っていきがちだが、障害者のテレビでの扱い方はどこの国でも頭を抱えるところのよう。ましてや、お笑い番組は難易度がかなり高い。この点、アダムとアレックスは自身も障害を持っていることから、バランス良く障害も笑いに変えていったし、ジョシュや他の健常者ゲストもそれに絡んで笑いを作っていくという雰囲気ができていて、非常にレベルの高いお笑いだったなと思う。また、パラリンピック選手も毎日ゲストで登場したのだが、彼らの障害にスポットライトを当てるのではなく、彼らのキャラや、試合での功績を中心に繰り広げられたトークも、この番組のうまいところだったと思う。

 

もちろん、パラリンピックが終わりに近づくにつれ、感動的な要素も多々盛り込まれていた。昨日はニュージーランドのリアム・マローン選手(男子 400m - T43/44(切断・機能)金メダリスト)が、同じく片足のない8歳の男の子に将来パラリンピックに出たらこうしろ、みたいなアドバイスをしていた。男の子は自分のヒーローに会えて、目がキラキラしていて、テレビの前でそれを見て、私はうるうるしてしまいましたよ。この子、絶対この日を忘れないだろうな。(YouTube 日本からは見れないかも ↓)

 

きっと私だけじゃなく、たくさんの人がゴールデンタイムでこの番組のおかげで、障害への考え方、見方が変わったのではないかと思う。この番組を放送している Channel 4 は、以前にも LGBT の子供を育てる親のドキュメンタリーや、イギリスにいるイスラム教徒のドキュメンタリーもしていて、マイノリティへの視線が熱い。今後もこういうのどんどんやってほしいし、日本でもこういう良質なバラエティが増えると良いなと思うのでした。

最後に、Channel 4 の熱いパラリンピックのコマーシャルを。